2012年9月 3日 (月)

スレッドレス(2012/9/3)

Amebaグルスレが下がっているときは上げない(コメントしない)ことにしているので、こちらにメモ。


心理物理学的支配:精神操作社会に向けて

Amebaグルスレにて、↓こんなのを教えていただいたんで、
>1969年「心理物理学的支配:精神操作社会に向けて」
>(Physical Control oh the Mind,Toward a Psychocivilized Society)
>ホセ・デルガド博士

ググッたら、こんなんでましたw 英語で118ページだそうです。これは本文ですかね?(読んでない)
http://freedomfchs.com/pcofthemindbydrjosed.pdf
書評らしきもの。英語で4ページ。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2591527/

4行だけセレクトして訳してみたけど、なかなか(悪い意味で)スゴイ本みたいだ。

Negatively, the unfortunate part of this book is that the anuthor seems compelled to teach pharmacology, anesthesiology and the entire history of surgery in order to place his historical narration about curare in very specific perspective. he has striven for too much completeness,and hence will satisfy neither the profession nor the laity.

(試訳)この本の不運な部分は、大変に特異的な展望のcurare(訳語不明)についての歴史を記述するために、薬理学・麻酔学、外科の歴史全部を、作者が無理やりに教えようとしているように見えることです。彼は完璧を目指して努力しますが、結局、プロも俗衆も満足させることができません。

 こういうトンデモ本の上に、偽屋根の上に偽屋根を重ねるように書かれたのが、『電子洗脳 あなたの脳も攻撃されている』なのだろうということは、想像がつく。


マイクロ波聴覚効果

「電波で音を伝える」というのが
>マイクロ波聴覚効果はアラン・H・フレイ博士が最初に実験し、発表した。
という内容だということをやっと教えていただいたので、「マイクロ波聴覚効果」をググったらこんなんでました。

http://www.who.int/peh-emf/publications/facts/radars_226.pdf
>RFパルスの特性によって、ザーザー、カチカチ、シューシュー、ポンポンなどそれは様々な音に説明されています

「音が出る」からといって言葉を伝えられるとは限らないのは、拍手で言葉が送れるかどうか考えればすぐわかる。


病むことへの恐怖

誤解がないようにしてほしいのだが。私は「脳関連の研究が行われてない」とも、「人体実験が行われていない」とも言っていない。「統合失調症は、無断実験の結果ではない、単なる病気だ」と言っているだけだ。

人が動物ともっとも違うのは「思考」の能力だろう。脳は、思考の中枢だ。だからこそ、「脳が病んでいる」ということを認められない人がいるのだろうということは想像が

つく。想像はつくけれど、「攻撃のせいで幻聴が聞こえる」「攻撃に使命感を与えられた」というのは、科学とこの国の現状(倫理を含め)に照らして無理がありすぎる。


追記

これはさすがに真っ当なレビューなんじゃないかな?というものを見つけたので、リンク置いておきます。
「超 低 周 波 電 磁 界」
http://www.env.go.jp/chemi/electric/material/ehc238_j.pdf

2012年9月 2日 (日)

トンデモ本というビジネス

『脳の仕組み ~あなたの脳は攻撃されてない』の続編記事です。


本物の「軍事機密」ならどうして公開できたんですか?

 前回の記事で、書籍『電子洗脳 あなたの脳も攻撃されている』の内容が、現在の科学水準に照らして、どうにも説明不可能であることを解説したつもりですが。
 それでもやっぱり「お前(阿檀)が知らないだけで、軍の技術は民生の技術からは予測できないところまで進んでいるんだ」と思う人もいるかもしれないです。そういう方に聞きたいんですが、このニック・ベギーチ博士というのは、そこまで極秘にされた技術をどうして公開できたんですかね? 
 《Amazon》の「なか見検索」をみると、この本は2006年にアメリカで出版され、2011年に日本で翻訳されています。もしこのセンセーショナルな内容が本当なら、この5年間にほとんど話題にならなかったのはなぜなんでしょう?
「軍事機密だから、広まらないよう圧力をかけられた」
とか言われそうなんですが。もし本当に「軍事機密」を明らかにするつもりなら、疑う余地もないほど緻密に持ち出すでしょうね。
 書評を見ると、技術の「内容」に触れたものは見つからず、逆に「技術的内容が記されていない」というものには当たるもので、今のところ読む気がわきません。
(《Amazon》アルチザン氏のレビューより)
内容も一見、緻密に調べてあるように見える。が、肝心のところはスカスカである。
(中略)
記述されている技術とタイトルどおりのことをしようとする技術に半端じゃないギャップがある。

(《ブクログ》mindcraft氏のレビューより) この本もタイトルとは別に、具体的にはなにひとつうまくいっていない。周囲の技術、音で不快にする、低周波による脳の引き込みでアルファ状態にする、などの技術を紹介して、あたかも意識操作ができそうな雰囲気を醸し出しているだけ。
技術知識のない人はコロッとダマされるようだ。技術論を語るなら急がば回れで、電磁波の勉強くらいは本3冊程度なので、やるべきだ。

(《ブクログ》junjungogo氏のレビューより)
記憶は脳細胞のネットワークにより構築されているわけで、このネットワークは個々人で異なるのではないかと思う。だから、同じように理解しているように見える知識であっても、脳のネットワークとしては別物と思われる。それを電磁波を当てることで構築できるとは思えない。


トンデモ本というビジネス

 では、どうしてこういう「スカスカ」な本が出版されるのでしょうか。
 端的にいえば、儲けになるからです。ノストラダムスの大予言しかり、マヤの予言しかり、不安を煽る本を見ると手にとってしまう人というのはいるもので、そういう人の財布をアテにこの種の本は出版されます。一部の人は、この種の本を「トンデモ本」と呼んでいます。

 『電子洗脳 あなたの脳も攻撃されている』を出版している成甲書房は、さまざまな本を出版しているようですが
・異次元ワールドとの遭遇
・ビヨンド・コンスピラシー陰謀を超えて 最終段階に突入した「300人委員会」世界支配計画
・三島由紀夫の【最新】霊界からの大予言 神々が明かす日本崩壊と地球崩壊〈脱出の告示〉
・ヒトラー第二の書―自身が刊行を禁じた「続・わが闘争」
・サイキック・パワー 宇宙の神秘エネルギーとつながる方法
などの本も出版している出版社です。(これはかなりアヤシイものを拾ってますので、偏りなく全貌を見たい方は出版社のサイトを見るか、Amazonで「成甲書房」と検索してください。


嘘の本を売っても逮捕はされない

 偽薬を売ると逮捕されます。腐った料理を出したレストランは営業停止になります。けれど、有害な嘘を書いた本を売っても、法的な罪には問われません。これは憲法によって「言論の自由」が保障されているからです。
 歴史における言論の弾圧への反省から、日本の憲法は「言論の自由」を「嘘本が跋扈する危険」よりも優先することにしたわけです。


サイキックパワーを信じても実害はないが

 あなたがもしサイキックパワーを信じても、周囲の人からちょっと「変わった人だ」と言われる程度で済むでしょう。
 しかし、『電子洗脳 あなたの脳も攻撃されている』を読んだ人が、幻覚を見たときに、「ああ、これが電子洗脳か」と、医者に行かずに放置してしまったら、症状を初期で抑える機会を失ってしまうことになります。あるいは、統合失調症の患者さんに
「電子洗脳だそうですから、電波がとまるまで、アナタは直りません」
と言い出すのも困ります。患者さんが、受診や服薬を止めてしまうのも困りますし、患者さんの家族ともトラブルになるでしょう。

 嘘を書いた本を売った側は、罪には問われないのですから。読む側が、その情報が信じるに値するものかどうか、他の本・他の知識に照らして、判断しなければならないのです。

2012年8月30日 (木)

脳の仕組み ~あなたの脳は攻撃されてない

 《Ameba》のブログカスタマイズ系グルっぽ内で、なにをどうまかりまちがえたのか、『電子洗脳 あなたの脳も攻撃されている』という本の信望者が入り込んで、本人いうところの「啓蒙活動」を始めた。そして、ちょっとショックだったのは若手さんの中で電子洗脳を信じる人がでたことだ。
 だがよく考えれば。脳の仕組みの基本を知っていれば「あれは変だ」と解るけれど、勉強したことがなけば判らなくても仕方ない。私だって、小学生のころは、脳の仕組みなんて習ってなかったと思う。

 というわけで脳の仕組みのごくごく基本を説明しようと思った

 なお、私は脳の専門家ではない。小学生におすすめできる解説ページがみつからなかったので仕方なく自分で書いている。もっと適切な解説があったら教えてほしい。また、「一般的に信じられている学説において」間違いがあったら指摘してほしい。

 コメントは受け付けていません。質問は未成年限定でhttp://group.ameba.jp/group/IKQm8fUqnlnsで受け付けます。
 トラックバックは一記事に一人一本だけ残します、後は消します。研ぎ澄まして送ってくだされ


脳とニューロン

 脳はニューロンとよばれる細胞がたくさん集まってできている。ちょうどいい著作権フリーの図が手に入らなかったんで、http://www2.edu.ipa.go.jp/gz2/a-cg/a-800/a-810/IPA-acg410.htmでも見てきてほしい。(学校組織でないと使えない素材集)
 ニューロンはたくさんの手足のような突起を出して、複数のニューロンと結合しあい、網の目のようなネットワークを作っている。図の細部があまり正確じゃないけど、昔買ったの画像素材集「具満タン」になんかそんな画像があったので、貼っておく。上記リンク先の、「シナプスでの興奮伝達のしくみ」という動画のほうが、正確だ。

 脳の一部に電極を刺し、弱い電気刺激を与えると(強い電気では死んでしまう;)、ある記憶が鮮明によみがえることは、1930年代から知られていた(ワイルダー・グレイヴス・ペンフィールド) このケースでは、脳の外から、脳の特定部位に加えた刺激が、脳の中にある記憶を思いだせている。

 逆に、脳の情報の一部を「取り出す」という技術もある。
 たとえば、脳内パルスを検知して、車椅子を制御する、という技術が開発されている。動画もある。英語だが、実際に動いているところが見られる。この技術では脳波の情報を取り出すために、非侵襲BMI連携ユニットというものを頭部に装着している。
 また、磁気共鳴画像装置(MRI)で脳の血流量を測定して、見ている画像の情報を取り出すという技術も実在する。


ここがヘンだよ電子洗脳

さて。「電子洗脳 あなたの脳も攻撃されている」という本を私は買っていないのだが。中にはこんなことが紹介されているらしい。
 ご想像のとおり、電磁エネルギー源は日に日に進化している。その出力において、パルス、波形、焦点の調整ができ、人体に照射すれば、こんなことが可能になっている。自発的な筋肉運動を阻止し、感情と行動を操作し、眠らせ、指示を送り、短期および長期の記憶を阻害し、一連の経験を作ったり消したりする。また、こんな可能性を極度に高めることすらできる。人体内にハイファイ(高忠実度)の言葉を作り出し、密かに指示を送り、心理的に方向づけをする。ギガヘルツ級の高出力マイクロ波パルスを人体に照射すると、体内にわずかな温度変化が起こる。その結果、かすかに加熱された組織が急激に拡張し、音波が発生する。パルス列を用いれば、体内に人が聞きとれる5~15キロヘルツの音場(おんじょう)ができる。このように、最も苦痛を与える(自分が自分でなくなる)方法で狙った敵に話しかけることが可能になるのだ。
アメリカ空軍科学諮問委員会
『新世界展望:21世紀に向けた航空宇宙戦力』
(New World Vistas:Air and Space Power For The 21st Centry)
(http://www.funaiyukio.com/funa_ima/index.asp?dno=201111003より)
また
「すべての電波はマインドコントロールに使われている!
電磁波システムHAARP(ハープ)は「人間操作兵器」と化した!」
という惹句もつけられているらしい。

 この本を肯定する人たちは、
「遠隔操作で、人間の操縦を行うことができる」
「個別の人間の脳に(聴覚を介さず)指示を送れる」
「人間の思考を盗聴できる」
と主張する。そしてこの本の肯定者には、
「自分が、実際に、脳遠隔操作や思考盗聴の被害にあっている」
と言う人が、異様に多い。本当だろうか?


遠隔操作の無理

 上記の紹介文を、一つずつのんびり見ていこう。

>電磁エネルギー源は日に日に進化している。その出力において、パルス、波形
ここはOK。パルスや波形は調整できるはずだ。
>焦点の調整ができ
これはどうだろう?
 上記の通り、頭蓋にセンサーをはりつければ、脳の特定領域の活動を把握することができる。だが、頭蓋に固定されたセンサーなしで、遠くから、脳のどの部位が活動しているか判るだろうか。先に書いたとおり、脳の神経はニューロンでできている。運動をつかさどる領域も、思考をつかさどる領域も、ニューロンでできている。一人の人間がもつニューロンの数は100億だという。その活動をどう区別するのか。
 また多数の人間の中から、特定の人間の脳波をどうやってキャッチするのか。
 頭蓋骨というホールの中に、100億台の車が並び、それぞれの車が勝手にクラクションを鳴らしたりやめたりしている場面を想像してほしい。頭蓋骨ホールの外から、どうやって、1台の車のクラクションだけをキャッチし、解析することができるのか。
 むろん、その「1台の車」にだけマイクを貼り付けておけばできる。脳のすぐ近くにセンサーがあれば、その領域の興奮の有無はわかるだろう。だが、センサーなしで「遠くから」それができるのか? それに関する説明は、いまのところ見たことがない。

>かすかに加熱された組織が急激に拡張し、音波が発生する。
 という記述もあるが。熱により「音」が発生するのが本当だったら、風邪ひいて熱出したら、うるさくって寝てなんていられない。


センサー取り付けの無理

 一部の人々は、ごく小さなセンサーをつけられていると主張する。だが、髪など外についていたら、シャンプやブラシですぐとれてしまう。
 もっともらしく「ナノマシン注入」とか言っている人たちもいる。最低限住居外くらいの遠隔操作が可能な送受信ができるナノマシンがあるかどうか私は知らぬ。あったとしても、脳内に入れるのは、頭蓋骨をパカりと開くか、硬い頭蓋骨を貫通する針かなにかで、注入する必要がある。「脳遠隔操作・思考盗聴」を主張する人が全員、大人しくそんな手術を受けたというのだろうか。
 いや、脳に直接入れるのではなく、たとえば点滴の液にでも潜ませて体内に注入するのだ、などの想像があるのかもしれないが。手足に仮にナノマシンを注入しても、血液脳関門があるので、脳には容易に入れない。

 このように「電極なしで脳遠隔操作」「センサーなしで思考盗聴」は今のところ説明ができない。「本人に気づかれずにセンサーをつける」のも無理がある。


「もしも」電極/センサーがつけられているなら

 「もしも」(あくまで仮定)電極/センサーがつけられているなら、どんなことが可能だろうか。
>自発的な筋肉運動を阻止し、感情と行動を操作し、眠らせ、指示を送り、短期および長期の記憶を阻害し、一連の経験を作ったり消したりする。
という部分のうち、脳の適切な箇所に電極があれば、
>自発的な筋肉運動を阻止
することはできると思う。最初にあげたとおり、筋肉運動の指令の有無を脳の外から検出できているので、同じ場所を麻痺させれば運動の阻止も可能だと思う。
>眠らせ
は、科研のデータベースにネズミを眠らせる研究が掲載されていた。ネズミで試験している場合、たいてい人間にはまだ無理なんだが。「国家の秘密実験機関が」なんていう人たちは「たいてい」じゃ納得してくれなそうだな。
>感情と行動
落ち着かせたり、怒りっぽくさせたりはできそうだが。「人を殺せ」というような「行動の指令」ができるとは思えない。腕と、指の神経に予め電極をいれ、「腕を相手の喉の高さにあげろ、それから首をしめろ」という指令なら、もしかしたら、送れるかもしれないが。本人がそれに気づき、他の方向に歩き去ってしまったら、相手は殺せない。
>短期および長期の記憶を阻害
海馬を破壊すると短期記憶はできなくなる(1953年ロボトミー手術での知見)。短期記憶ができなければ、長期記憶もできない。


思考は読めない、送れない

 だが問題は
>指示を送り

>一連の経験を作ったり
だ。
 現状の技術で、目でみたごく単純な図形のデータは読み取れるし、筋肉への指令も検出できる。だが、思考はもっとはるかに複雑なものだ。脳内の思考のパルスは、ラジオのように簡単な機械で「言葉」に変換できるわけではない。
 きちんとした論文で、思考パルスの解読方法を示したものがあるなら、ぜひ挙げていただきたい。
 こう問いかけると、答えはおそらく。
「軍事機密なので論文にはならない」
なのだろう。科学者の野心を舐めちゃいかん。これだけ「思考盗聴」と言っている人がたくさんいれば、もし現在の技術でできるものなら、誰かが実現してニュースになっている。科学とは、そういうものだ。
 では。「脳遠隔操作・思考盗聴」が実在しないにもかかわらず、それが「ある」と主張する人がいるのはなぜだろう。


哀しいことに、脳は病む

統合失調症という病気には
>人は自分の心が読める、自分の考えが人に伝わっている、外部の力によって考えや衝動が自分の中に吹きこまれているなどと思いこむ思考奪取や思考吹入という妄想もあります。(メルクマニュアル)
 脳は、病気によってこのような妄想を産むのである。しかも統合失調症の発症率は、1%といわれている。統合失調症にはさまざまな症状があるため、誰もが「思考奪取や思考吹入」の妄想をもつわけではないが、それでも社会全体からみればこの妄想を持っている人の数はかなりになると思われる。

質問は未成年限定で専用グルっぽ(Ameba)で受け付けます。


未記述:トンデモ本というビジネス